2021年12月10日、自民党、公明党、両党より「2022年度税制改正大綱」が発表されました。
注目されていた住宅ローン控除の改正ですが、全体的には縮小傾向となったものの、これから築古物件を売却される方には“朗報”ともいえそうです。
不動産を購入される方のみならず、今後、売却を考えている方にとっても決して無縁ではない改正の内容を見ていきましょう。
控除率は「1%」から「0.7%」に
2021年の住宅ローン控除は、控除率が「1%」。たとえば住宅ローン残債2,000万円に対して、最大控除額は1%の20万円でした。
この点が、2022年度税制改正により「0.7%」に変わります。
中古住宅は控除率以外は据え置き
中古住宅の借り入れ限度額は、2021年から据え置きの原則「2,000万円」。認定住宅は、上乗せ措置となり「3,000万円」となります。新築住宅の借入限度額は、一般住宅で「3,000万円」。2021年と比較して1,000万円の縮小です。
中古住宅は、控除期間も据え置きの「10年」となったことから、控除率のみの縮小となりました。
中古住宅の「築年数要件」が撤廃!築古物件の需要が上がる?
縮小となった住宅ローン控除。しかし、中古住宅を所有している方にとっては“朗報”ともいえる改正点があります。
これまで、住宅ローン控除には次のような「築年数要件」がありました。
- 木造住宅:築20年以内
- 耐火構造住宅:築25年以内
2022年度税制改正により、この築年数要件は撤廃となり、要件が「昭和57年以降に建築された住宅=新耐震基準適合住宅」に緩和されます。
たとえば、2021年時点で築30年の1991年築のマンションは、これまで原則的に住宅ローン控除の適用外でした。しかし、今後、適用となることで、この築年帯の不動産の需要が上がることにも期待できます。
住宅ローン控除改正による影響は限定的か
「縮小」ということが大きく取り沙汰されている住宅ローン控除ですが、中古住宅においては、縮小となったのは控除率のみ。築年数要件は撤廃となり、これまで以上に多くの築年帯の不動産で住宅ローン控除が適用となることは朗報ともいえるでしょう。
また、現在は変動金利「0.2%」台の住宅ローンも出てきており、たとえ控除率が「0.7%」に縮小したとしても、住宅購入者にとって住宅ローン控除の恩恵は非常に大きいといえます。
中古不動産市場は、引き続き堅調に推移しています。不動産のご売却をお考えの方は、どうぞ一度お気軽にご相談ください。